皆さん、こんにちは。千葉県市川市を拠点とし、環境工事を中心に電設管路工事・造成工事・河川工事などを手掛けているヤマシタ工業です。
土木工事は、インフラ整備などで重要な役割を担っていることから、仕事の需要は安定した傾向が見られます。その一方で、土木業を含む建設業界全体で人材不足が叫ばれて久しく、国を挙げて人材不足解消に向けた対策が進められています。
この記事では、土木業界が抱える人材不足の現状および今後の動向について解説します。
■土木業界とは?
土木業界とは、インフラの整備や自然災害の防止復旧などのために、公共の建造物を建築・工事する業界です。具体的には、道路・橋・トンネル・ダム・空港建設・河川・土地区画整理・水道の8つが該当します。つまり、建物以外の建造物を建てるのが、土木業界の仕事であり、一般住宅・マンション・オフィス・工場などの建物を土台から建てるのは建築業界の仕事です。土木と建築を合わせて、建設と呼ばれています。
土木工事の大半は、自治体から発注される公共事業です。最初にゼネコン(総合建築業者)が元請け業者として発注を請け負い、下請け業者に割り当てて工事を進めていきます。
■土木業界の現状と課題
土木工事は、コロナ禍により中断を余儀なくされた時期もありましたが、現在では仕事量に回復傾向が見られます。しかし、土木業界が直面する問題は複雑であり、すぐに解決できるものではありません。
ここでは、土木業界の現状と、抱えている課題について見ていきましょう。
・人手不足の深刻化
土木業界における慢性的な人手不足は、解決の兆しが見られないまま長い期間が経過しています。10年後・20年後には、さらに状況が悪化している事態も考えられます。
人手不足となる大きな原因は、若者の土木業界への就職率の低さと離職率の高さです。土木業界は、体を酷使して長時間労働をするのにも関わらず賃金が低いことで、仕事に対して魅力を感じなくなっています。3Kのイメージや、昔ながらの体育会系の体制が残っているイメージなども、若者が土木業界を敬遠してしまう理由となっています。
週休2日制の導入も、他の業界に比べて遅れているほか、社会保険を始めとした福利厚生が整っていない会社が多いのも現状です。これらの理由から、仕事を始めてもすぐにやめる人が後を絶ちません。
・顕著な高齢化
慢性的な人手不足は、高齢化を招く原因にもなっています。少子高齢化が進む日本では、あらゆる業種において人材確保が難しくなっていますが、土木業界ではその傾向が特に顕著に現れています。
国土交通省が発表した「建設産業の現状と課題」によると、2025年には3割以上の人材が定年や引退の時期を迎えます。このまま若者が増えないと、高齢化はさらに進んでしまうのです。
・地方の中小企業廃業の増加
関東などの都心部では、公共事業の発注が積極的に行われていますが、地方では件数がそれほど多くありません。これは地方の土木業にとって厳しい現実です。発注があったとしても、人材不足も重なって仕事を受注できなくなり、特に中小企業では経営難に陥るケースも見られます。
上記のようにさまざまな要因が重なり、地方の中小企業の廃業件数が増加しています。土木業界にとって、大きな課題のひとつです。
・インフラ整備が追いつかない
現在日本に存在するインフラ設備の大部分は、高度成長期以後に建設されています。道路・橋・上下水道などの老朽化したインフラ設備は、早急に整備を検討する必要がありますが、人手不足のため整備が追いつかない事態が懸念されているのです。
特に、道路橋や水門などは、建設後50年が経過する設備が、全体の6割以上にのぼるとされています。安全な生活に欠かせないインフラ整備に向けて、早急な対策が求められます。
■土木業界の今後の動向と将来性
土木業界の現状と課題を解説しましたが、これらの内容は今後の土木業界の需要にもつながっています。
インフラ設備の整備の必要性は、土木工事の需要に直結しているため、土木工事の安定した需要が見込まれます。インフラ設備は、整備だけでなく新規建設も必要であり、双方を並行して行うことが必要です。
さらに、近年の日本では地震や台風などによる自然災害が頻発しています。自然災害によって道路が崩落したり橋梁が破損したりすると、早急な復旧作業をしなくてはなりません。この場合に、工事の急激な需要増加が見込まれます。
・i-Constructionを導入する国土交通省の取り組みとは
国土交通省は、土木業界の担い手の確保に加え、作業効率化を図るために「i-Construction」の導入を進めています。i-Constructionとは、ICTやAIを取り入れた新しいプロジェクトであり、建設業界全体の生産性向上を目的としたものです。
i-Constructionの主な取り組みとして、ドローンを使った空撮が挙げられます。3次元で測量することで、3次元データを活用した設計図が作成できます。これにより、測量時間が大幅に短縮でき、人件費の削減にも役立つのです。
測量だけでなく、調査・設計・施工・検査・維持管理・更新などのあらゆる建設生産プロセスにICTを導入すると、生産性の大幅な向上が期待できます。生産性が上がると、少ない人手で作業できるようになり、人手不足を少しでもカバーできます。
■人手不足だからこそ与えられるキャリアアップのチャンス
人手不足は、土木業界の大きな課題であると解説してきましたが、人手不足だからこそスキルを高めてキャリアアップを目指してみませんか。土木業界で役立つキャリアプランとして、重機オペレーターもしくは施工管理を目指す方法がおすすめです。
インフラ設備の老朽化による補強・補修工事は、今後も増加傾向が続くと予想されます。建設業界全体の人材不足も相まって、高いスキルを持った人材はさらに需要が高まるでしょう。
体力仕事・汚れ仕事というイメージが強い土木工事も、IT化や機械化の急速な進化により、仕事の進め方も変わってきています。経験を積みながらスキルを習得し、キャリアアップを図っていきましょう。
この記事で解説してきたように、土木業界の人材は需要が高まっています。人手不足が続いていることで、人材に対する希少価値も上がっていくでしょう。土木工事に関する資格を取得し、一人前の職人を目指したい方は、ヤマシタ工業で働いてみませんか。
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